ソーシャル・キャピタル#1
7月に入り、2021年も折り返しに入りました!あっという間に上半期が駆け抜けていったように感じたのは私だけでしょうか。下半期は一日一日を大切に味わいと思います。
以前の投稿に「ソーシャル・キャピタル」(以下、SC)についてサラッと触れたものの、深く取り上げてはいなかったので、これから何回かに分けて、小難しい話にならないように噛み砕きながらお話できればと思います。
ソーシャル・キャピタルってなに?
SCは社会関係資本と訳され、人と人との間の協調的な行動を促し、社会をよりよく機能させるための「つながり」や「絆」として注目されており、ドイツの政治学者パットナム氏(1993)は、「ソーシャル・キャピタルとは、社会の効率性を高めることのできる、信頼、規範、ネットワークといった社会組織の特徴である」と定義しています。
元日本大学教授の稲葉先生(2011)はSCをわかりやすく、「人々が他人に対して抱く「信頼」、それに「情けは人の為にならず」「お互い様」「持ちつ持たれつ」といった言葉に象徴される「互酬性の規範」、人や組織の間の「ネットワーク(絆)」ということになる。おおざっぱに言えば、これらの社会関係資本によって、集団としての協調性や、「ご近所の底力」といった、市場では評価しにくい価値が生み出される」と説明しています。
もっと簡単に説明すれば、「人と人とのつながり」です。(厳密には少し違いますが、このブログでは気にしません)。
ソーシャル・キャピタルのよい効果ってなに?
SCを取り上げるときに、どのレベルで語るかが前提条件として必要になります。
ここでは3つ
個人レベル(私的財・・・個人間のネットワーク)
地域社会レベル(クラブ財・・・特定の個人間、グループ内)
国レベル(公共財・・・社会全体)
個人レベルから話すと、SCいわゆる、人と人とのつながりを多く持っている人は幸福度が高い結果が出ています。様々な友人がいると何かと楽しいですもんね。
地域社会レベルは、災害復旧で研究結果が報告されており、SCが豊かな地域ほど、そうでない地域よりも災害からの復旧が早いとのことです。実際に東日本大震災を経験して、家族や友人を越えたご近所さんとの助け合い、気遣いなどの共助の大切さを心身をもって知りました。
国レベルでは、SCの豊かな国は、政治活動や経済活動、市民活動に積極的に参画する傾向があります。様々な活動を通して、高い信頼を持っているので、よりよく社会活動が活発に営まれます。
最後に
現在、過疎地域に定められている気仙沼市に住んでいるので、今のところじんわりとですが…
人口減少や人口流出など、多くの課題を感じつつ、SCが様々な課題に多少なりとも対応しうるソフトな地域資源であると思い、地域のつながりの強化と再構築に努めたいと思います。
今回は1話分もない、0.2話くらいの情報量とその内容になりました。SCのダークサイドもありますので、それを含め、今後少しずつお話できればと思います。