第10回ハワイ・北米檀信徒大会

第10回ハワイ・北米檀信徒大会に参加させていただきました。10月22日から同月28日の7日間の日程で、オアフ島の曹洞宗寺院ツアーをはじめ、日本人移民の歴史や文化、当時の生活を学ぶハワイ・プランテーションビレッジ、さらに檀信徒大会では、数多くのセッションが設けられ、自身の興味関心をより深く、学びにつなげることができました。

 

「ハワイにおける日系寺院」のセッションでは、ハワイにおける日本寺院建築の歴史と変遷を通じて、寺院が単なる宗教施設にとどまらず、地域社会に深く根ざしたコミュニティの拠点として機能してきたことを学びました。日本から移民として渡った人々が、限られた資材や異なる気候の中で、日本の伝統的な寺院建築の要素を取り入れつつ、現地の環境に適応させてきた過程は非常に印象的でした。屋根の形や建材の選定、礼拝空間の構成など、随所に創意工夫が凝らされており、それは単なる建築技術の問題ではなく、信仰と文化をいかに土地に根づかせるかという「生きた適応」の記録であると感じました。特に、寺院が地域社会の集会所や教育の場として活用されている点に、ハワイにおける仏教の柔軟性と包容力を感じました。

次のセッションは、「ダルマ・ケイキ・プログラム」です。このプログラムでは、子どもたちが仏教の教えに親しみながら学ぶための工夫が紹介されました。ゲームや工作、音楽などを通して、仏教的価値観を自然に身につけられるようにデザインされており、実際に参加者全員で身体を使って、歌をうたい楽しみました。「楽しみながら学ぶ」姿勢がとても心に残りました。講師は、「子どもたちに仏教を“教える”のではなく、“感じてもらう”ことが大切」と語っていました。子どもたちが自分の心を観察し、他者への思いやりを育む場として、こうした教育が行われていることに大きな希望を感じ、家庭や地域と仏教が自然につながる姿は、日本でもとても参考になると思います。

「お念珠作り」のワークショップでは、参加者それぞれが自分の数珠を制作し、その一珠一珠に祈りと意識を込めていく過程を紹介していました。単なる手作業ではなく、心を整え、集中し、自分自身を見つめる行としての意義が強調されていたのが印象的でした。講師の言葉に、「数珠は祈りの道具であると同時に、自分自身との対話の象徴である」というものがあり、完成した数珠にはそれぞれの想いや物語が宿り、それを通じて参加者同士のつながりも生まれていたように思います。ものづくりを通じて仏教の精神を体感できるこのような取り組みは、非常に意義深いと感じました。

3つの講義を通じて感じたのは、「伝える仏教」から「生きる仏教」への実践だと思います。建築、教育、ものづくりという異なる角度から、いずれも人々の暮らしの中に仏教を根づかせようとする姿勢が一貫しており、その柔軟さと創造性に強く感銘を受けました。さらに、こうした取り組みは、異文化の中で仏教がどのように息づき、形を変えながらも本質を保ち続けているかを示しており、私自身の今後の寺院活動においても大きな指針となる学びとなりました。禅の言葉に「行住坐臥」とあるように、仏教は特別な場所や時間の中だけにあるのではなく、日々の営みそのものが修行だと強く思います。ハワイで出会った人々の穏やかな笑顔や、自然と調和した生活の中に、まさにその教えの体現をみることができました。この気づきを胸に、地域と共に歩む「仏教」を模索していきたいと思います。