暗闇からみえること
最近、『小学館の図鑑NEO きのこ』を買いました。きのこは動物と同じように他の生き物から栄養を得て生活しており、動物は口から取り入れるのに対して、きのこは体(菌糸)から酵素を出して、周りの落ち葉や枯れ木などを分解し、栄養分を吸収するそうです。自分の中で、長めの「へぇー」が出ました。さらに、きのこの種類である腐生菌、寄生菌、菌根菌で栄養の取り方が違うようです!もっと長めの「へぇー」が出ました。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク
先日、東京都港区竹芝にあるダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」に行きました。
対話の森とはどんな施設かといいますと…
見えないからこそ、みえるもの。
聞こえないからこそ、聴こえるもの。
老いるからこそ、学べること。目以外の感性を使い楽しむことのできる「ダーク」では、
見た目や固定観念から解放された対話を。
表情やボディランゲージで楽しむ「サイレンス」では、
言語や文化の壁を超えた対話を。
そして「タイム」では、
年齢や世代を超え、生き方について対話をします。世代。ハンディキャップ。文化。宗教。民族。
世の中を分断しているたくさんのものを、
出会いと対話によってつなぎ、
ダイバーシティを体感するミュージアム。
体験できる「ダーク」、「サイレンス」、「タイム(2024年春開催予定)」の中で今回、私は「ダーク」を体験してきました。
これから体験される方もいると思うので、体験した内容ではなく、感想をメインにお伝えいたします。
「ダーク」では、光を全て取り除いた世界へと放たれます。目が慣れて、朧気に見えるという感覚はおよそ90分暗闇で過ごしてもありません。自分の手元には、白杖(主に視覚障害の方が使用する杖)のみ。参加者8名で視覚以外の感覚を研ぎ澄ませながら様々な体験を行なっていきます。その暗闇の中の案内人として、視覚障害の方が案内してくれます。白杖の使い方や歩く時の注意事項、心の保ち方など説明だけでも多くの発見がある中、どのような道かもわからないところを実際に歩くと大きな発見があります。
「不安」「緊張」「恐怖」を抱えながら、白杖に身の安全を頼り、聴覚で環境の情報を把握する。視覚障害の方がとてつもない不安と勇気をもって外に出ていることを身をもって体験しました。案内をしてくれた視覚障害の方は同じ宮城県出身で、とても明るく、冗談も交えながら私生活ついても暗闇の中で話してくれました。「野球観戦がすきなんですよね」や「バンドもやっていて」など、友人と話しているような感覚で、その時間は視覚障害があるかないかは全く関係のない時間でした。そこには視覚障害だけでなく、人種や容姿から先入観を抱くことを取っ払った空間。「ルッキズム」や「外見至上主義」の芽を摘み取ることができるように思いました。
体験を通して、参加者同士で声を掛け合い、暗闇の中での思いやりの行動から、相互の存在への理解や承認を感じました。再び光を浴びる頃には参加者同士のつながりが生まれたように思いました。視覚障害への理解や人とひととのつながりを考える貴重な体験になりました。