みんな導師

今年のGWは長い方は9連休の長期休みになります。9日間の休みはとても魅力的ですが、日本全国でせーのっ!で休みを取ると、渋滞や予約出来ない、宿が高いなど…様々考えさせられるものがありますが、いかがお過ごしでしょうか。
反射で行動したい
以前、郵便局に荷物を郵送するために向かっていた道中のこと。
郵便局前の階段で、重そうにダンボールを持っている50代くらいの女性の方を見かけました。その時は、自分の郵便がいつ相手に届くのかを気にしていて、女性の方に配慮するような行動はしませんでした。
私が郵送の手続きをしていると、先ほどのダンボールを持った女性が隣の窓口に来ました。「ドスン!」っという大きな音が郵便局に響きました。女性がダンボールを置く音です。そして、「はぁはあ」という息遣いを感じました。そんなに重いものを持っていたのかという驚きがありました。そして、時間が経つにつれて、手伝ってあげればよかったなという気持ちの方が強くなりました。
私はこのような小さな後悔を定期的に感じては、反省していることがあります。そういうときは決まってを思い出す光景があります。
小学校4年生のお兄ちゃん
小学校でバスケットを教えていた時の話です。
土曜日のバスケットの練習が終わり、お迎えの保護者の方も多くいました。その中で3、4歳くらいの女の子が練習終わりのお兄ちゃんのところに走っていきました。そのお兄ちゃんは4年生でバスケットは始めたばかりでしたが、とても一生懸命に練習する子でした。
帰り際に、お兄ちゃんは自分の練習着やバスケットシューズの入った大きなバックを背負い、そして、妹の手提げを持ってあげて、体育館を出る後ろ姿を見ました。その手提げが重かったのかや妹が「持って」と言ったのかは定かではありませんが、とても印象に残った光景でした。
お経の中で
『修証義』(しゅしょうぎ)第4章 発願利生(ほつがんりしょう)というお経の中で「たとい七歳(しちさい)の女流(にょりゅう)なりとも、即ち四衆(ししゅ)の導師なり、衆生(しゅじょう)の慈父(じふ)なり。男女(なんにょ)を論ずることなかれ」とあるように、年齢や性別で判断することは粗末な見方であるとされます。
たとえ、バスケットを教える立場であろうが、あの子の行動は見習うべきものだったと、その時も今も思っています。たまに忘れることもありますが、あの子の行動を反射でできるように目指していきたいと思います。
※「四衆」とは、比丘(男性出家者)・比丘尼(女性出家者)・優婆塞(在家の男性信者)・優婆夷(在家の女性信者)の総称。