損か得かの綱引き

まだまだ寒さが続きますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

冬は暖房の影響を受け、先月のガス代や電気代が家計にとって深手を負う結果となりました…。

さらにはガソリンの高騰、年始から食パンや小麦粉などの価格が10%近く値上げしている事実。続いて、日本製紙クレシアが「クリネックス」、「スコッティ」ブランドのティッシュ・トイレットペーパーを4月1日以降、10%以上値上げすると発表。

先日、生鮮食品を買いに野菜コーナーの前にカートを止めると、こぶしくらいのレタスが200円の値札の横に佇んていたのを目にし震えました。

デパートでの綱引き

先月、コーヒー豆を探しに1人デパート内の専門店へ向かう。歩いていると、数十メートル先に何か落ちているものを発見。だんだんと近づいてみると、伝票の束であることを識別した。不要そうなものではあるが、誰かにとっては必要かも知れない。しかし、私にとっては完全に不必要であることは確かである。

この思考に至るまで…伝票との距離10メートル。

あれを拾うとなると、どこに届けるんだ…。誰か困っているかも知れない…。ゴミなのかも知れない…。コーヒー豆…。

この思考に至るまで…伝票との距離5メートル。

拾わないで過ぎるところを誰か見ているかな…。拾ったところ、誰か見ているかな…。お坊さんだしな…。コーヒー豆…。

この思考に至るまで…伝票との距離1メートル。

結果…拾う。そして、伝票に記載の専門店まで届ける。

損か得

正直、拾ったから、えらい!ではなくて

拾った後、拾うまでにこんなにも思考が複雑に絡み合うのかと驚きました。そして、ギリギリまで損得の綱引きを右に左に揺らしていた自分が恥ずかしくなりました。特に周りが見ているかどうかを気にしたり、拾わない理由を考えたりしたことを。

客観的に見れば、何気ない一コマですが、私の中で内省する出来事になりました。様々な状況や心境によって、その時の行動は変わると思いますが、損得の綱引きをやめて、無意識的に拾えるようになれればいいなと理想を浮かべ、帰りの車を走らせました。

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