晋山結制

令和3年10月17日に晋山結制(しんさんけっせい)を行います。
晋山式とは
晋山式というのは、各寺院において新たに住職となった僧(この方を、「新命方丈」ともいいます。「方丈」とは住職の居室のことで、転じて、その居室にいる人という意味で、住職を方丈とも呼びます)が、その寺院に晋む(=進む)ことです。禅宗寺院は多く山間部にあって山号(=○○山)を持ち、そして、寺院を山ともいうため、「山に晋む式」と書いて「晋山式」としています。簡単にいえば、住職交代式ということです。元々は、「乗り込み晋山」といって、外部から招聘されて、その日当日に初めて各寺院に入ることをいいましたが、最近では、大概、副住職や徒弟として、その寺院に住んでいながら準備を進めて、その山内で内移りをする略法を採っています。
引用 曹洞宗公式サイト・曹洞禅ネット
住職交代式と書かれておりますが、当寺院は先代住職が8年前に遷化(せんげ‥亡くなること)しておりますので、現住職が正式に就任する式となります。
個人的な見どころとしては、晋山式後の晋山開堂(しんさんかいどう)で住職がする問答です。僧侶から繰り出される問答に的確な答えをいたします。
※晋山開堂・・晋山開堂では住職が本堂中央に上り立ち、問答をします。ここに立てることの感謝を述べ、新しい住職としてみなさまに仏法を広め、檀信徒や地域の方々のご縁を厚くするために見識を披露します。
結制とは
お釈迦さまがこの世におられた当時、雨季には、歩くだけで多くの生き物を殺生してしまうため、外に出て修行する事ができませんでした。よって、修行僧達が寺に集まるようになったのですが、これを「安居(あんご)」といいます。そして、安居の制を結ぶことを、「結制」とも呼びます。安居は、インドでは雨季のみであり、「雨安居」とも「夏安居」ともいいましたが、中国に伝わると夏冬2回の行持になったといいます。
引用 曹洞宗公式サイト・曹洞禅ネット
簡単に言えば、結制とはそのお寺に留まり、修行を行うことです。引用文からみると、中国から日本に伝わり、毎年2回結制が行われているように思いますが、大本山永平寺、總持寺などとは違い、一般の寺院では一生に一度ともいえる行事です。
個人的な見どころとしては、二つ。結制の期間で行われる法戦式(ほっせんしき)という式の中で、今回中学校1年生の男の子が弁事(べんじ)という役を担い、声高に「頌(じゅ)」(いわゆる、詩)を読み上げるところが一つ。もう一つが、筆者が勤めます「首座(しゅそ)」という役です。仏教や禅の教えについて気迫ある問いを受け、首座が(頑張って)堂々と答えます。聞いているだけでは理解するのが難しいとは思いますが、荘厳な雰囲気の中、激しい問答が繰り広げられるのが必見です。
最後に
晋山結制は、新たな住職をお寺に迎入れる就任式でありつつ、檀信徒の方にお披露目する貴重な機会でもあります。しかし、コロナの影響で誠に残念ではございますが、檀信徒の方にはご参列をご遠慮いただいております。
日頃より、ご理解、ご協力をいただいていることもあり、とても心苦しい思いでおります。
檀信徒の方々には新しい住職の就任する式をご覧いただけるように、またこのブログを見てくださっている方々には曹洞宗の式に触れ、禅や仏教に興味関心を抱いていただければという思いから、InstagramでのLive配信を予定しております。
アカウントは「気仙沼 満福寺(@k.manpukug)」です。ご参列はかないませんが、このような形でもご覧いただければ幸いです。