ソーシャル・キャピタル#2

気仙沼市では、令和3年10月から子ども医療費助成制度(医療費の自己負担分を市で助成する制度)の対象を拡大することが決まりました。具体的には所得制限を廃止し、対象となる子どもが18歳到達以後最初の3月31日まで拡大します。

お子さんをお持ちのお父さんお母さんは、医療費を気がかりすることなく、診療を受けられるのはとてもありがたいと思います。

子育て世代に協力的な行政と海も山もある自然豊な環境を全面に押し出し、少しでもUターン・Iターンされる方を望んでいるのだと思います。

気仙沼市の人口は、1981年93,192人をピークに減少していきます。東日本大震災直後の2011年2月末では74,247人、その1年後の2012年2月末では69,986人。そして、2021年7月末では60,555人です。

人口減少は気仙沼市のみではなく、広く日本全体が抱えるものとなり、内閣府の「将来推計人口でみる50年後の日本」の中で、2050年には日本の人口が1億人を割ることが推計されています。(2021年3月1日現在 日本の総人口 1億2548万人)

そこで気仙沼市の人口を増加させることも考えつつ、並行してソーシャル・キャピタルも大切なのではと思い、また今回も少しだけお話いたします。

 

ソーシャル・キャピタルの類型(コミュニティの種類)

結束型(ボンディング)・・・同じバックグランドを持つもの同士のネットワーク。例えば、「気仙沼市に住んでいる」といった地縁組織や家族・親族などの血縁組織。同じ中学・高校・大学などの同窓会的組織。同一職業組織など…。

橋渡し型(ブリッジング)・・・異なるバックグランドを持つもの同士のネットワーク。例えば、「自然を守ろう!」などといった特定の目的を持ったNPO・NGO。友人の友人。異業種・異文化の交流会など…。

簡単な特徴としては、

結束型(ボンディング)・・・内部のコミュニティの紐帯(つながり)や結束は高い。コミュニティ外部への寛容性が低い。

橋渡し型(ブリッジング)・・・内部のコミュニティの紐帯(つながり)や結束は低い。コミュニティ外部への寛容性が高い。

 

結束型と橋渡し型を踏まえた4つの類型

結束が高い・低い、橋渡しが低い・高いの4つを組み合わせた類型とその特徴。

①高結束・低橋渡し型:外部から隔絶したコミュニティであるがコミュニティ内部での結束は高い。例、地域村落型コミュニティ。

②低結束・高橋渡し型:コミュニティ内部の結束は低いが個々のアクターはコミュニティの外との紐帯を持っている。例、都市型コミュニティ。

③高結束・高橋渡し型:コミュニティ内部の結束も高く、かつ個々のアクターはコミュニティの外との紐帯をももっている。外部からの変化に対応するレジリエンスが高い。

④低結束・低橋渡し型:コミュニティ内部での結束が低く、かつ外部とのつながりも少ない孤立型。外部からの変化に対応するレジリエンスは低い。

(引用 『ソーシャル・キャピタルの世界』 2016 稲葉陽二/吉野諒三)

※アクター・・・属するコミュニティの個人。

※レジリエンス・・・適応する能力。

 

最後に

ソーシャル・キャピタルの類型と特徴などから、一方に偏り過ぎてしまうと人とのつながりの分断になり兼ねず、程よいバランスを見つけていくのが良いのではないかと思っています。

ただ、人間関係においては個別性の高いものであり、一概に押し付けるものではないと感じています。自分に合った人と人とのつながりを構築していく中で、豊かに毎日を過ごしていただければ幸いです。

最後に気仙沼市は大自然に囲まれ、美味しい食べ物などがあり、素敵な人が多くいるまちですので、陰ながら人口の爆発まではいきませんが、微増を願っております。