今年度の抱負をひとつ

4月…それは年度のはじまり。

一球一球のつみかさね
一打一打のつみかさね
一歩一歩のつみかさね
一生一生のつみかさね
一作一作のつみかさね
一念一念のつみかさね
つみかさねの上に咲く花
つみかさねの果てに熟する実
それは美しく尊く
真の光を放つ

『坂村真民一日一言』 坂村真民 p.58

坂村真民さんの4月の詩です。

この詩は努力と積み重ねの大切さを地道かつ力強く語っています。

「一球一球」「一打一打」「一歩一歩」。これはスポーツや修行、日々の生活の中での小さな積み重ねを象徴しているように思います。それはすぐに結果が出るものではなく、時には苦しいこともあるかもしれません。しかし、それでも積み重ねていくことで、やがて「花」となり「実」となり、自ずと結果が現れることでしょう。

「一生一生」「一作一作」「一念一念」。ここからは、もっと大きな視点での積み重ねが見えてきます。個人の人生だけでなく、過去から未来へと続く人の歩み、創作や信念の継承までもが含まれているように思えます。

最後の「つみかさねの上に咲く花 つみかさねの果てに熟する実 それは美しく尊く 真の光を放つ」、この締めくくりがとても秀逸です。すぐには手に入らないからこそ、その成果は尊く、真の輝きを持つのでしょう。

この詩を読むと、「焦らず、諦めず、日々を丁寧に積み重ねていこう」と前向きな気持ちになります。仏教の「精進」の教えにも通じるものがあり、人生そのものを深く味わう大切さを改めて感じさせてくれる詩です。

今年度は考えることはほどほどに「まずやってみる!」

4月に入り、新年度が小寒い中、スタートしました。少しずつ気温も上がり、過ごしやすい季節になるこの時期。

昨年度は、3月から気仙沼に戻り、ご葬儀・ご供養を勤めさせていただきました。また月に各1回の坐禅会と写経会を行ってきました。夏には1泊参禅会。本堂にガチャモックの設置(ガチャガチャ)。ホームページとインスタグラムの更新。

今年度は「継続」ということよりも、「一旦やってみよう」という気持ちを全面に構え、突き進んでいきたいと思っています。現在、思案しているのは、「香り袋作りのワークショップ」、「子ども食堂」、「しっかりめの御朱印」です。これらの開催につきましては、こちらのホームページと満福寺のインスタグラムでお知らせいたします。

これから多くのトライアンドエラーを体現していくことになるかと思います。お寺や僧侶だけでは、微力なものでありますので、お檀家さんや地域の方がたのご理解ご協力、ご参加よろしくお願いいたします!

最後に愛知専門尼僧堂堂長である青山俊董老師の言葉をお借りして閉じさせていただきます。

いくつもある命ならば、やり直しの出来る命ならば、いろいろやってもいい。一つしかない、やり直しの出来ない命ならば、最高のものに命かけたい。

『正法』平成29年 第5号 曹洞宗師家会 p.29