この本読もっかな。#1

更新を忘れるほどの寒さ…はたまた、更新を忘れるほどの怠惰な性格なのか…心の中で自問自答を繰り返しながら、パソコンに向かっております。

今回、新しく「この本読もっかな」という書籍の紹介コーナーを誠に勝手ながら、誕生させました。「絵本紹介」は既にあり、#7まで投稿しておりますが、それよりももっと多めの活字を浴びれるようなコーナーになります。

これからよろしくお願いいたします。

『死ぬ練習』南直哉

この本は「自己の死以外は死ではない。それが何なのかは絶対にわからないのだ」という土台のもと、死生観についてアプローチしています。私たちが「わかる」という時は、「思い通りにできる」という意味もある程度、含まれており、そこで「死」という「わからなさ」を天国や浄土といった信仰する宗教的言葉で終結せず、著者である南直哉師の経験を踏まえ、論理的に紐解いていきます。

例えば、死について考えるときに、四つに分けています。「死」(わからなさ)そのもの、「死体」、「遺体」、「死者」。「死体」はその数に意味がありますが、それがひとたび母となれば、母の遺した体、つまり「遺体」として目の前にする。その後に火葬や土葬を経て、「死者」が立ち上がるという。

これらをはじめ、南師は死の認識や受容について仏教の視点からも解説を加えており、読み進めていくうちに「死ぬ練習」という言葉の意味を理解し、死への不安や恐れを見つめ直す示唆を与えてくれます。

本書を読み終えたとき、死について深く考えました。しかし、それは同時に「生きる」ことを見つめ直すことだと気付かされた一冊です。

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